マルクス『資本論』第1巻第11章をわかりやすく要約

社会学用語概説

この記事では、『資本論』の第1巻第11章「協業」をわかりやすく要約します。参考にした翻訳はマルクス『新版資本論』第三分冊です。

初期の資本主義的生産――マニファクチュアは同じ資本のもとに、同職組合的な手工業的工業と比べて、「多数の労働者が同じ生産過程において、あるいは、異なっているが連関している生産諸過程において、計画的に、肩をならべ一緒になって労働する形態」(協業)にはじまる。協業の特質は以下が挙げられる。①労働に社会的平均的な質の概念が与えられる。これまで労働の質は労働者の力量に依存しており、したがってギルドの小親方は平均よりも多くの価値を受け取ることもあれば、少ない価値を受け取ることもあった。しかし多数の労働者がひとつの資本のもとに労働するとき、それらの差異は互いに相殺される。ゆえに、価値増殖の法則が個々の労働者に適用されるようになった。②生産諸手段の共同の使用は生産諸手段を節約する。ただし、「生産諸手段を所有する者はもっぽら資本家であるから、これは労働者個人の生産性を高める諸方法からは切り離されている別個の操作として現れる」。③労働者相互の計画的協力は個人的諸制限を脱して類的能力を発展させる。協業は、結合されていない労働(協業以前の労働)に比して、同一の労働力と労働時間から生産される価値量が多い。

協業が可能になるためには、あらかじめ労働力を雇うだけの資本力と、労働者を無駄なく使役するための生産諸手段を購うだけの資本力があらかじめ用意されておかねばならない。同様に、協業は資本による指揮監督を受けねばならない。ゆえに、彼らを統一させる機制は彼らの外側に、資本の側にあって、「彼らの労働の連関は、観念的には資本家の計画として、実際的には資本家の権威として彼らに相対するのであり、彼らの行為を自己の目的に従わせる他人の意志の力として彼らに相対する」。労働の社会的生産力は、追加の費用を必要とせず、別個の労働者による労働から発生するものでもないから、資本の生まれながらにしてもっている内在的な生産力である。言い換えれば、協業とそれによって生み出される社会的生産力は、労働過程の資本による包摂を受けてはじめて現れる変化である。「協業は――その単純な姿態そのものが、いっそう発展した諸形態とならんで特殊な形態として現われるとはいえ――資本主義的生産様式の基本形態である」。

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参考文献

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