2022-03

研究成果

モビリティと経済からみたアストロツーリズムの考察

人々が何を想って星を眺めるかは、いつの時代かによっていくぶん様相が異なっている。原初的には、それは農耕を営む人たちが、暦と同じ役割を果たす生産手段として見上げられた。あるときには、それはアカデミックな対象として関心が寄せられ、現代には当然の公理として持ち込まれるに至る成果を挙げるが、宗教的権力との衝突という悲劇的な歴史もある。そして、我々が暮らす今の社会では、労働に対比される余暇活動の時間に、楽しみの対象として、神秘的な、センチメンタルな、詩的な感情の源泉として、光り輝いている。
随筆

試論、闇の境界線が解け合う京都は何を問うか

暮らす人々の何気ない日常を水面に映す鴨川沿いを、おおよそ七条のあたりから北山に向かってそぞろ歩けば、思いがけず、知られざる京都の横顔を目にする。ちょうど東海道線の高架をくぐった左側には、典雅な都の風情とは趣を異にする、すなわち、デカダンな家屋とアパートメントが敷き詰められていて、その地域の事情を知らなくとも、何事かの特殊の事情を察せずにはいられない。そこは、職業や出自による差別を受けた在日コリアンをはじめとする人々が、長らく暮らしている地域である。
京都の謎

二つの対立軸を生みながら形成された観光地としての伏見稲荷大社

かつて京都の町を八坂神社と南北に分け合ったとまで言われた伏見稲荷大社は、今なお国内外を問わない観光者から根強い人気を集めている。長らく日本で最も外国人旅行客に人気の観光地であり続け[1]、いよいよ本格的に夏が始まろうとする頃に執り行われる本宮祭とそれに先立つ宵宮祭では、ちょうちんに赤く照らされた鳥居を地元
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