【経済思想概説】経済思想の眺め方「絶対主義」と「相対主義」【2】

経済思想史概説

この記事で分かること

  • 経済思想の「絶対主義」「相対主義」とは何か
  • 経済思想の見方について

シリーズ経済思想概説では、経済思想に関する大学レベルの知識を体系的に解説していきます。第1回、第2回では、経済思想の概説に先立って、それを考える上での重要な視点について、前置きとして述べておきたいと思います。最新記事の更新情報は、拙Twitterアカウント(@SubCulKusoOtoko)をご覧ください。

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経済思想の「絶対主義」

経済思想史における絶対主義absolutismは、歴史を現在に至るまでの一本の道筋とみなされます。立ち位置は、あくまで現在です。したがって、基準となる現在の経済学が変化した場合は、そこに至るまでの道筋も、再び解釈され直し、新たな一本の線が引き直されます。

アダム・スミス、カール・マルクスといった多くの思想家が後世に残した成果も、この立場からとった方法によって、彼らが生きた時代にふさわしい経済学の道筋を、絶えず更新するものでした。

この現在主義の立場は、経済思想と現在との関わりを私たちに分かりやすく示してくれます。その一方で、絶対的とみなされた一本の道筋から外れた思想は、歴史の背後へと、見えないように覆い隠されてしまうという欠点もあります。

メリット

  • 現在と思想とのつながりが強調される。

デメリット

  • 現在の経済学にとって関係がないとみなされた思想は忘れ去られる。

経済思想の「相対主義」

経済思想史における相対主義relativismは、歴史をその時代ごとにある経済思想の、局所的な存在であるとみなします。言い換えると、それぞれの経済思想は、それぞれの経済思想との関係から切り離された、独立なものとしてみなされます。

そこには、絶対主義Absolutismの場合に見出された一本の道筋のようなものは存在せず、したがって忘れ去られるべき思想もありません。

それゆえに、一つ一つの経済思想は、現在の経済学にとって必要か、必要でないのかの判断から離れて、より正確に分析されます。一方でその分析は、現在とのつながりを曖昧なままにせざるを得ないという欠点もあります。

メリット

  • 一つ一つの経済思想についてより正確に分析できる。

デメリット

  • 現在とのつながりが見えない。

次回記事からは、経済学の歴史が始まる前の世界を支配した、重商主義とは何かを解説します。

【経済思想概説】「重商主義」そして「重金主義」「貿易差額主義」とは何か【3】

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