マックス・ウェーバーの理念型とは何か【概説社会学用語】

社会学用語概説

この記事では、マックス・ウェーバーの「理念型」という社会学用語について概説します。

理念型とは

「理念型」は、マックス・ウェーバーが著書のなかで実践することを通じて確立した、社会を捉えるための方法です。

種々雑多な現象が相次いで起こる現実の社会は、極めてカオスです。そういったカオスな現実すべてを相手にしていては、社会の因果法則や成り行きを把握するのは困難と言えるでしょう。

そこで、ウェーバーはカオスな現実から、みずからが見ようとしているものにとって、本当に大事なものかどうかを見極めます。この抽象化の過程を通じて、理路整然と社会を説明できるようになりました。

たとえば?

では具体的な例を用いて説明するとどうなるでしょうか。理念型は社会を捉えるための方法ですが、ここでは分かりやすくするために人間の説明を例に上げたいと思います。

あなたは今、結婚したいと思っている恋人を自分の親に紹介するとしましょう。(やや古い考えですが)結婚の許しを得るためには、恋人の良い姿を伝えなければなりません。

そこで、人間観察が趣味のあなたは、恋人がどのような要素を持っているかを記述してみます。

温厚/優しい/猫が好き/イライラすると物に当たる/ユーモアに富む/みんなから愛される/まれに暴言を吐く/社交的/おしゃれ/朝起きるのが苦手

すると、いくつか「理想的な結婚相手」としては相応しくない要素が見つかりました。しかしあなたはこれを、例外的な要素であるとみなします。

イライラすると物に当たる、朝起きるのが苦手なのはそれぞれ仕事がうまくいかなかったとき、仕事が忙しいときで、いずれも彼の外側からの働きかけが大きく関与しています。まれに暴言を吐くのも、お酒を飲みすぎたときに限定されています。いずれも彼の例外的な側面で、原則としては、

温厚/優しい/猫が好き/ユーモアに富む/みんなから愛される/社交的/おしゃれ

が彼の要素であるとみなすことで、「理想的な結婚相手」像が、つまり理念型が出来上がります。

同じ現実を見ていても、どこを原則として抽出するかによって、違う現実社会が浮かび上がってくると言えるでしょう。

参考文献

マックス・ウェーバー,大塚久雄訳(1989)『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫.

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